2017年06月23日
板海苔には、状態によって3つの呼び名があります。
摘んだ生海苔を細かく刻んで板状にして乾した「乾しのり」。
その乾しのりを焼いた「焼きのり」。
そして、焼きのりに味を付けた「味付けのり」です。
実はこの3つ、同じ海苔でも含まれる栄養の量が違うんです。
そこで今回は、文部科学省の食品成分データベースをもとに、
100g当たりの栄養の量を比較してみました。
すると、いくつかのデータに大きな開きが!
まず大きな差がついたのが、塩分(ナトリウム)。
ほしのり610mg、焼きのり530mgに対し、味付けのりは1,700mgと焼きのりの3.2倍。
塩分を控えたい方には、焼きのりが一番よさそうです。
続いて、差が目立ったのが、βカロテン。
皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫力を高める効果があるといわれる成分。
視力の維持や改善にも不可欠なことから「目のビタミン」とも呼ばれています。
βカロテンが豊富といわれるニンジンが8,600㎍(マイクログラム)なのに対し、
焼きのりは25,000㎍、味付けのりは29,000㎍と桁違いの多さ。
そしてさらにスゴイのが、乾しのり。なんと38,000㎍!ニンジンの5.5倍!
食品成分データベースに登録されている食品の中では、堂々の第1位。
海苔のβカロテンは、焼く前の方が高いことが判明した。
そして!今回の比較で、最も大きな差が見られたのが「ビタミンK」。
ビタミンK…? 大半の方はこんなリアクションでしょう。
あまり聞きなれない栄養ですが、実は、調べてみたらスゴイ栄養でした!
ビタミンKには、主に2つの働きがあります。
ひとつは、「正常な血液凝固を促す効果」。
凝固といっても、血液をドロドロにするわけではありません。
ケガなどで出血した時に血液をゼラチン状にして固める働きです。
このことから「止血のビタミン」と言われています。
そして、ビタミンKにはもう一つ重要な働きが。
それは「骨の形成を促す効果」です。
カルシウムが骨に沈着するのに必要なたんぱく質を活性化し、
骨の形成を促してくれるのです。
このため、ビタミンKは、骨粗しょう症の治療薬としても使われています。
では、海苔には、どれくらいのビタミンKが含まれているのでしょうか。
豊富といわれる明日葉が500㎍、モロヘイヤが640㎍なのに対し、
焼きのりは390㎍、味付けのりが650㎍ほど。
そして驚くべきは、乾しのり。その量、なんと2,600㎍!
乾しのりは、味噌汁やラーメンといった汁物やサラダなどに入れると、
独特のとろみが出てとても美味しく食べられます。
生海苔をそのまま干した「ばらのり」でも乾しのりと同等の栄養を摂ることができます。
是非、おいしさを体験してみて下さい。
※このコーナーに掲載している数字は「文部科学省 食品成分データベース」を参考にしています。